「子宮筋腫」とは?
子宮にできる良性のコブのことを、「子宮筋腫」と呼びます。
実は、女性の3~4人に1人は、「子宮筋腫」を持っていると考えられています。
自覚症状としては、月経量の増加、月経痛がひどい、下腹部腫瘤感、不妊などがあります。
自覚症状がない人もたくさんいます。ほとんどの場合、超音波検査で診断できます。
症状は?
筋腫ができる場所によって症状が違います。
- 粘膜下筋腫:
子宮の内側にできる筋腫で、小さくても月経量が増えたり、不正出血がでたりします。不妊症の原因にもなります。
- 筋層内筋腫:
子宮の筋肉の中にできる筋腫で、大きくなると月経量が増えたり、月経痛が出たりします。流産・早産の原因になることもあります。
- 漿膜下筋腫:
子宮の外側にできる筋腫で、大きくなるまで症状がでません。大きくなると、下腹部腫瘤感、便秘、頻尿などの症状があります。
治療は?
- 薬物療法(鎮痛剤、鉄剤、漢方薬、GnRHアゴニスト)
- 手術療法(子宮摘出、筋腫摘出)
- 子宮動脈塞栓術
- 集束超音波治療(保険適応外)
など複数の治療方法があります。
患者さんの年齢や、出産の希望があるか、症状がどれくらいひどいかなどにより治療方法を決めていきます。
何も症状がなくても、子宮がん検診と一緒に超音波検査も受けましょうね。
Q & A
Q: 検査で筋腫があると言われたのですが、手術したほうがいいのでしょうか?
A: 患者さんによって違います。症状がひどくなければ、治療なしで経過観察することも可能です。妊娠の希望がある方は、筋腫だけを摘出するか、手術ではない治療方法を選択します。
妊娠の希望がない方は、子宮を摘出すると症状は改善し、卵巣は残すのでホルモンは今まで通り分泌されます。また、筋腫の再発や子宮がんの心配がなくなります。
手術を希望されない方は、子宮動脈塞栓術という選択肢もありますが、施行できる病院は限られています。
Q: 閉経すると筋腫はなくなるのですか?
A: 女性ホルモンにより筋腫は大きくなります。女性ホルモン剤投与・妊娠中は筋腫が大きくなり、閉経すると筋腫は小さくなりますが完全になくなることはありません。
Q: 母が筋腫を持っていますが遺伝するのでしょうか?
A: 遺伝的な背景も関与するといわれております。母が筋腫を持っている場合は、発生率は2.5倍になるといわれていますので、産婦人科で検査を受けましょう。