2016年8月30日

子宮頸がん検診

近年、20~30歳台の方に子宮頸がんが増えています。


子宮頸がんは、子宮の入り口にできる「がん」です。

若い女性がかかると、子供を産みたいのに子宮を摘出しなければならなかったり、子宮頚部だけ切除(円錐切除)することで治っても流産・早産のリスクが増えたりします。






子宮頸がんの原因の一つは、HPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染です。
性交渉により、子宮頸部にHPVウイルスが感染して、数年かかって「がん」に進行すると言われています。




HPVウイルス感染症は、HPVワクチンを接種することで予防できます。



2013年から公費でHPVワクチンの接種ができるようになっていましたが、副反応の可能性があると報告があり、約3年間、HPVワクチン接種がほとんど行われてきませんでした。


現在も副反応かどうかの調査中で、ワクチンとの因果関係はまだ証明されていません。

海外では今も変わらずHPVワクチン接種が推奨されており、子宮頸がんを予防できているという報告があります。

20164月に日本産婦人科学会など15団体がHPVワクチン接種を推進していくという見解を出しました。

接種しないことによる子宮頸がんの増加を予防する目的と、副反応に対する救済が開始され、ワクチン接種後に生じた症状に対する診療体制、相談体制が全国的に整備されたためです。

しかしまだ、医療の現場ではHPVワクチンを希望する患者さんが増えたという実感はありません。


日本の子宮がん検診の受診率は20%台であり、他の先進国7080%台であるのに比べて圧倒的に低いです。

子宮頸がんは早く見つければ、治せる病気です。症状が何もなくても、子宮がん検診を受けて早期発見、早期治療をしましょう。

そして、早くHPVワクチンを安全に接種でき、子宮頸がんで苦しむ女性が減ることを切に願っています。